小崎哲哉「現代アートを殺さないために」を途中まで読んでの雑感

2021年5月17日月曜日

読書感想文

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▽あまり書くことが思いつかないので適当に。今読んでいる本は小崎哲哉さんの「現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由」。アート関連の本を読むのは久しぶりな気がする。


小崎哲哉さんは03副編集長、ART iT、Realtokyo、Realkyoto編集長、京都芸術大学大学院教授という経歴の方で、アートに関しての専門家といえる。この本も300ページを越え、かなり読み応えのある内容となっている。出版が2020年の12月なので、最近のアート界における出来事が主なテーマ。トランプ前大統領のグッゲンハイム美術館へのゴッホの作品の貸し出し依頼に対して、カテランが制作した黄金の便器を替わりにという提案をし、トランプが激怒したエピソードは日本でも報道された。

日本の出来事としてあいちトリエンナーレや会田誠の檄、キセイノセイキ展、広島市現代美術館のリュー・ディンの2013年のカール・マルクスなど、政府や自治体からの検閲、圧力、キュレーターの忖度、迎合などが事細かに解説されている。途中までしか読んでいないのだけど、ここから新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ペストや天然痘、スペイン風などの感染症がアートに与えた影響と続く。

現在のアートは政治との軋轢、新型コロナウイルスの影響で縮小や自粛を強いられているのだけど、これから決定的な変化が起こるのか。タイトルのように現代アートが殺される、今までの表現が失われるということもありえない話ではない。既に触れたように、日本では天皇であったり、日本を貶める、政権を批判するような表現には何らかの圧力がかかるという事例が表面化してきた。昔からあったことなのだろうけど、表現に制限がかかるというのは好ましくないと思う。

アート、表現というのは社会や政治に対して何らかのメッセージを持っていることは当然のことなので、それを駄目と言われてしまえばもう何もできない。だからといって、何をやってもいいのがアートではなく、すべてがハッピーな作品ではなく、誰かを傷つけてしまうものでもある。私も目を背けたくなるような不快な写真をかつて展示した。撤去しろと言われれば反発しただろうし、なかなか難しい問題だけど、表現したいことがあるのだから仕方ない。表現の自由を!そう声高に叫ぶつもりはないけど、世の中があまり良くない方向に進んでいるのは感じる。この本を最後まで読むと何かヒントが得られるだろうか。

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書いてる人 : 内野知樹

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